後継奮闘記-ベンチャー挑戦②-
前章でようやく自分の居場所を見つけた私ですが、次の壁にぶつかります。
どのように自分の居場所を活かして、課題の解決に向かっていったかを書き綴ります。
今回のテーマは、以下の2点です。
- 何かに特化するだけでは、大きな価値を出すことは出来ない。
- 如何にして価値を最大化し、大きなインパクトを出していくか。
これから何か新しい取り組みをする方や伸び悩んでる方は是非最後まで読んで下さい。
初めての居場所
顧客現場の課題に直面することで、必然的に自分だけが解像度の高い情報を得られます。
その情報を軸に、作業の効率化や標準化、最終的にはマニュアル化まで進めて行くことで、自社の倉庫でも同様の作業が可能となります。
ここで初めて、少しはこの会社の中で価値を出すことが出来たと感じることが出来ました。
- 汚れ拭き取りのマニュアル作成
- 納品仕様のマニュアル作成(現品票の貼り方など)
- 納品作業のマニュアル作成(顧客現地での作業)
- 傷がある製品の最終判断&必要に応じて修正(私自身が担当)
上記により、自社倉庫から良品を出荷できるようになったため、顧客現場に常駐する必要がなくなりました。
ここから自社倉庫内・部品製造パートナーさんと少しずつ上流へと進んで行きます。
属人性の足枷
ついに活動拠点を顧客現場から自社倉庫に移すことに成功。
まず自分が解くべき課題はシンプルでした。
- 毎日残業が発生している出荷業務を整備
- 部品製造サプライヤーさんと共に品質レベルを改善
まずは倉庫のメンバーの力を借りて①に着手します。
こちらは少しずつルールが整備されていきます。
しかし変です。②が一向に進みません。
永遠に自分が傷修正の職人技をやっているため、サプライヤーのパートナー様との品質改善に全く時間が使えていなかったのです。
負のループの抜け出し方
届く部品の品質を上げないといけない。
しかし、外に出ると出荷が遅延する。
答えは簡単です。
『傷修正を誰かに承継する』
- 職人じゃなくても作業できる補助ツールを開発して頂く
- 最強のデザイン力を持つ倉庫のリーダーに救われました
- 数人適正のある方に修正を任せる
- 絶対大丈夫なレベルのみ出荷
- グレーゾーンは芝田チェック棚にストック
これで今まで芝田チェックだった傷部品が半分は出荷に回るようになりました。
これで少しは外出して、傷自体を撲滅する時間が生まれました。
負のループの裏側
負のループを抜け出すために最も重要な要素が一つ漏れておりました。
『負のループの渦中であっても潰れない』ことです。
正直夜中まで傷修正をしているときに、何度か家業に逃げ帰ろうかと思ったこともありました。
そんなとき最高の仲間達の姿に助けられました。
『製造業のポテンシャルを解放するには、倉庫も世界一にならないといけない』
『芝田にこんなことさせてちゃいけない』
『芝田は倉庫メンバーをもっと信じて、傷の発生自体を無くすために時間を使って欲しい』
『芝田にしかできないことをやって欲しい』
正直泣きました。
自分より大変なはずの仲間の方々からの言葉です。
『この周りの人達が幸せになるまで絶対に辞めない。』と誓いました。
負のループを抜けた先
前述の通り周囲のメンバーの支えのお陰で、課題の本質にフォーカスすることが出来ました。
実際の成果は以下の通りです。
- 板金傷基準の明文化/顧客&パートナーさんとの合意
- 新カテゴリ製品の品質立ち上げ
- 後任メンバーへの引き継ぎ
上記全ては、1人で傷修正をし続けていたら到底成し得なかった成果です。
『自分の居場所を見つけることは大事だが、そこに満足したら終わり』
『1人が出来る=価値は1倍、複数人が出来る=価値は無限大』
『他の人が出来るようになると、自分は新しい価値を出しに行ける=更に成長出来る』
次回、また新たな挑戦について記載します。
おそらくベンチャー編は最後になります。
ご紹介
家業での取り組みを活かして中小企業の事業承継問題に少しでもご協力出来ないかと思い、
Legacy Linksというサービスを立ち上げました。現場データ化サービスです。
(無償ヒアリングを通し、作業標準化後に事務作業を外注頂けるかご相談させて頂きます。)
父からの事業引継を進めている私自身と、
誰かから事業を引き継ぎ、事業作りをしたい渡邊の2人で動いています。
色々な方と繋がりたいの一心で動いております。ぜひお話しさせてください。