トレー町工場の後継奮闘記_家業編⑦ 〜アトツギ甲子園への挑戦〜
前回の仮説検証により、ただ町工場プライスを武器に営業をするだけでは売上に繋がりにくいことがわかりました。そこで後継なりに少し捻りを加えてみます。ここに書かずに密かに動いた方がいいかもしれません。それでもこのアイデアがどう受け止められるかを知りたいので、発信します!
自分が後継として描いたストーリー
- 50年先の不確実性を払拭するために新しいことをやる必要がある
- 新しい動きに集中するために、まずは既存事業を次世代につなぐ基盤を整えるべき
- 新しい動きで利益を生み、次世代を採用する余力を蓄える
- 会社の魅力がupした状態で、次世代を担う人材を獲得する
- 次世代へのバトンタッチを実現させる
- また新たな挑戦をする
初めて読む方のために、ここまでの新規事業検討の流れをまとめます!
- 新規事業の方向性を検討
- まずは後継が営業してみる(町工場価格で営業すれば、売上は上がるのか?)
- そう簡単ではなかったので、新規アイデアに挑戦!<<今ここ!
課題感を持ち続けることの大切さ(課題と課題が結び付く)
家業が抱える課題
家業に戻ってから午前中は現場、午後は業務のデータ化を進める日々でした。
午前の現場作業中、実は常に現場改善を頭に入れて作業をしていました。
スペースを有効活用し、作業効率を上げられないか?ということで、
棚を5台ほど購入し現場に設置しまくったりもしていました。
棚を入れた一つの理由が大量の預かり金型です。
真空成形の業界では、製造者がお客様資産の金型を預かり、トレーの製造を行います。
保管料を頂かないケースも多いです。そして、数年間発注がないまま忘れ去られたからのように置かれている金型がたくさんあるのです。
そんな金型を何かに使えないか?と常に考えていました。
営業で感じた顧客課題との結びつき
そんな中で営業をしてみると金型費用の問題が鮮明になりました。そこで現場で感じていた課題と営業の課題が結び付きました。確率は低いかもしれないけど、この忘れ去られた金型がお客様のニーズにマッチする可能性もあるのではないか?
自社の課題を把握し、顧客の課題をヒアリングしていくことで、課題と課題が結び付いた瞬間でした。自社が課題だと思っていたことが、もしかしたらお客様の課題を解決するためのリソースになるかもしれない。
そんなときにちょうどアトツギ甲子園の案内が届きました。
アトツギ甲子園への挑戦
当時も難しいアイデアだということはわかっていました。
お客様の資産を転用するなんて許可が取れない。
転用できたとしてもあり物の金型がマッチするわけない。
それでも私は問いたかったんです。
- 転用許可の打診をした人はいますか?
- あり物の金型がマッチするか試した人はいますか?
- これが実現したらワクワクしませんか?
- 業界全体でこれが出来たら結構おもしろくないですか?
何もせずに無理だと諦めるのか?
挑戦もせず、出ても意味がないと決めつけるのか?
それはあまりにもダサすぎる。出よう。
小さな一歩が周囲を巻き込む
結果としては関東中部ブロック敗退でした。(お恥ずかしい限りです、、、)
挑戦を通して、ベンチャー時代の先輩や同じアトツギの方、色々な方に壁打ちをして頂きました。この場を借りて御礼申し上げます。
アトツギ甲子園を経て、実績がないアイデアの無力さを知りました。
しかし、この挑戦を経て、父が応援してくれ、「このアイデア、やれるだけやろう」と言ってくれました。
そして、実際に1社のお客様に聞いてみたところ、転用の許可を頂くことが出来たのです。
まだまだ事業化するまでは時間が掛かります。しかし、転用許可をもらえることは証明されました。また次にやるべきことが見えてきました。
- 金型情報の整理と転用交渉を地道に行う
- お客様のニーズとあり物の金型とのマッチングを生み出す
まずは①を地道にやる。しかし②の実現にはやはりインターネットの力が不可欠です。
元々持っていた仮説である『ホームページをしっかり作れば、お客様からのお問い合わせも増えるのではないか?』を検証する上でもホームページの刷新は必要事項です。
というわけで、次回は、インターネット活用について、記事を掲載する予定です。
ぜひ、SNSをフォローして更新情報をお待ちください!
もっとこうしたらいいんじゃない?何か手伝いたい!自分ならもっと上手く出来る!という方もぜひ力を貸して下さい!(大学生でもお待ちしてます!)
ご紹介
家業での取り組みを活かして中小企業の事業承継問題に少しでもご協力出来ないかと思い、
Legacy Linksというサービスを立ち上げました。現場データ化サービスです。
(無償ヒアリングを通し、作業標準化後に事務作業を外注頂けるかご相談させて頂きます。)
父からの事業引継を進めている私自身と、
誰かから事業を引き継ぎ、事業作りをしたい渡邊の2人で動いています。
色々な方と繋がりたいの一心で動いております。ぜひお話しさせてください。
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