トレー町工場の後継奮闘記_新会社編①〜始動と方針転換〜

前回は家業の将来のために新会社を設立した経緯を書かせて頂きました。
今回は、実際に新会社で活動してみてわかったこと、それを踏まえた方針転換について書かせて頂きます。

新会社での営業活動開始
家業の将来のため、更には自分の描く製造業の未来のため、期待と不安を胸に営業活動を開始しました。
本当にありがたいことに、ベンチャー時代にご縁を頂いた本当に頼れる方(以降、堺さん)にも参画頂き、日本全国を飛び回りました。
当初は次のような仮説を描きながら活動をしておりました。
- 切削/板金/装置一式が出来れば、価格優位性/将来性から仕事が取れる
- ベトナムに日本の加工技術を持ち込めば、コスト競争力,品質に磨きがかかり、さらに優位性が増す
実際に営業を開始すると、やはり東南アジアからの調達はニーズがあり、半年足らずで60社以上のお客様と商談をさせて頂きました。
(堺さんの圧倒的な営業力と加工知見により、その場で技術的な打合せまで出来ることがかなり大きな要因です。)
そして半分以上の確率で見積依頼を頂き、着実に売上を伸ばしていけると手応えを感じておりました。
見えてきた課題
しかしながら、そう簡単にはいかないのがビジネスです。
いざ見積依頼を頂くと次から次へと課題も浮き彫りになっていきます。
- 設備的に対応ができない高精度品(円筒研磨や温度管理室)/ギヤ加工品
- 調達工数の高い鋳物
- 通常あまり対応をしていない材料や表面処理指定のある製品
- 見積キャパシティの限界による回答までのリードタイムの長期化
堺さんの加工知見を導入することで解決し得る事案もありましたが、ベトナムの親会社にも当然ながら基本となる加工方法やルールがあり、簡単には我々日本サイドから提案した加工方法を現場に導入することは出来ませんでした。
そうして、簡単には受注が積み上がらず、少しずつ焦りが募り始めます。
これが一社員から経営をするということなんだなと身をもって感じました。
見えてきた勝ち筋
そんな中でも諦めずに活動を続け、ありがたいことにご注文を頂くケースも出てきました。
- 急激な需要増加に伴い、将来的な生産キャパシティ不足やコスト競争力を見込み、意図的にベトナムでのサプライチェーン構築を検討されるお客様
- 将来的な熟練作業者不足や技術承継の課題感から我々の製造支援機能をご評価下さったお客様
- 会社規模10倍を見据え、製造拠点&販売先としてベトナム進出を検討されるお客様
振り返って気付いたことは、
『🙅ただ目の前のお客様に安く部品を売る』ではなく、
『🙆ものづくりの将来を考えるお客様と共に未来を切り拓く』ことこそが我々の存在意義であるということです。
そしてそのためには、次のことが必須条件でした。
- 我々が多くの協力パートナーとつながり、本当にお客様が困っている加工領域で価値を提供すること
- 日本の加工技術を受け入れて一緒に製造をしてくれるパートナーを見つけ、ベトナムでハイレベルなものづくりを実現すること
本当の意味で価値をお届けするための方針転換
我々は、我々を必要として下さるお客様に本当の意味で寄り添い伴走させて頂くため、そして、価値ある日本のものづくりを次世代へつなぐため、独立という決断をさせて頂きました。
正式に親会社となった家業の芝三工業所の頭文字から『SSKグローバル株式会社』に社名を変更させて頂き、新たなスタートを切りました。
ベトナムとフィリピンで新たな仲間にも参画頂き、よりお客様に安心頂ける体制を整えております。
ここでは書ききれないことを含め、本当に貴重な経験をさせて頂いております。
今後、皆様に色々なストーリーをお届けできるよう、より一層努力して参りますので、引き続き宜しくお願い致します。
製造業に携わる方で、海外にご興味のある方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡ください!
(あと、トレーも忘れずにお願い致します!)
ご紹介
家業での取り組みを活かして中小企業の事業承継問題に少しでもご協力出来ないかと思い、
Legacy Linksというサービスを立ち上げました。現場データ化サービスです。
(無償ヒアリングを通し、作業標準化後に事務作業を外注頂けるかご相談させて頂きます。)
父からの事業引継を進めている私自身と、
誰かから事業を引き継ぎ、事業作りをしたい渡邊の2人で動いています。
色々な方と繋がりたいの一心で動いております。ぜひお話しさせてください。
また、先日松戸商工会議所でも講演をさせて頂きました!!
相棒の渡邊くんが、AI活用を含めたご支援で伴走を開始させて頂いております。
AI活用の開始に先立って、現場や業務のデータ化も必要となりそうです。
皆さん、お話しさせて頂くだけでも構いませんので、ぜひお声掛けください!!