トレー町工場の後継奮闘記_家業編⑩ 〜新会社設立と決意表明〜
前回の検討により、家業の本業でベトナムに進出するには、案件の確保が必要だとわかりました。今回は仕事を生み出すためのストーリーです。
ベトナムでトレーの仕事を生み出すための活路
ベトナムで仕事を獲得するのは簡単じゃないです。
ベトナムに駐在員事務所を出して地道な営業をするしかないのか?とも考えました。
しかし、工場もない中で営業して意味はあるのか?という疑問も生まれます。
そんな中、実は商社時代のお客様へベトナム加工品の提案をしていました。
このような動きが広がれば、部品をベトナムから日本に輸送するときにトレーを使うのではないか?それが実現すれば、仕事がある状態でベトナムに進出できるのではないか?そう思いました。
突然のチャンス到来
「名古屋で展示会に出展するから手伝ってくれないか?」
ベンチャー時代に担当していたベトナム企業からでした。「家業の名刺を配らせてくれるなら手伝う」と生意気なことを言って承諾したことを覚えています。笑
やるからには全力でやる。旅費も家業で負担し、全力でやりました。成功と呼べるかはわかりません。しかし、一つ戦果はありました。ベトナムの企業から日本法人を立ち上げないか?とオファーを頂いたのです。
自分がやりたかったことがやれる。
こんなチャンスはそうそう無い。
そう思い自分は覚悟を決めました。
ベトナム企業との日本法人設立
そうして立ち上げた会社がCNCTech Japan株式会社です。
ベトナムで切削加工、板金加工、射出成形から設備製造まで幅広く対応します。
CNCTech Japanとして、人手不足やグローバルでの価格競争力に課題を抱える日本のものづくりに貢献していきます。商社時代、ベンチャー時代、そして家業と自分をここまで育ててくれたものづくり産業に恩返しをするため、精一杯取り組みます。
後継としての決意表明
本来であれば、この事業のビジョンやミッションを語るべきかもしれません。
しかしここでは、1人の後継として等身大でストーリーを書かせて頂きました。
普通であれば、思い切った挑戦は周囲から止められることも多いと思います。
しかしながら父は、毎朝早くから1人で工場を動かし、自分がほぼ家業に時間を使えなくなる分をカバーしてくれています。
「こんなチャンス中々無いんだから思い切りやれ」
そう言ってくれた父に心から感謝し、アトツギという環境を最大限活かして恩返ししてみせます。
後継として家業の生き残りのため、個人としての成長のため、過去商社時代の相見積をし続けた後悔を晴らすため、ものづくり産業に少しでも何かを返すため、まだまだ小さな一歩ですが、前に進みます。
応援頂ける方、海外からの調達にご興味のある方は是非ご連絡下さい。
全身全霊で臨ませて頂きます。