トレー町工場の後継奮闘記 商社編③
ピンチをチャンスに変えたVA提案
本記事では、ピンチの乗り越え方を一つご紹介します。
商社編③は、突然の部品切り替え検討に、必死でVA提案したストーリーです。
ピンチのときに何が人を動かすのか。
その後にどんなチャンスが来るのか。
こんな方に読んでいただきたいです!
- 専門商社って何をしているのか知りたい方
- ピンチの渦中にいらっしゃる方
- 何となく元気が欲しい方
部品切替の危機は突然に
突然の電話、設計リーダーからの仕様確認
ようやく仕事にも慣れてきた新人商社マンの私に1本の電話が入ります。
- お相手は顧客の設計リーダー
- 要件は私が担当していた部品の仕様確認
なぜ?と不思議に思った私はすぐに事務所を出ました。
決死のVA宣言
すぐに設計リーダーと対面し、事情をヒアリング。
悪い予感は的中しました。
- モデルチェンジに向けたコストダウンを検討中
- 他社と会話をスタート済み
- 切替検討のために、現行品仕様を確認したい
この状況で黙って帰るわけにはいきません。
私は絶対にVA提案を持ってくると宣言し、すぐに動き出しました。
不発の初回VA提案
メーカーの方に相談し、何とか初回のVA提案に漕ぎ着けます。
しかし、結果は散々なものでした。
- ターゲット価格が不明な中でのVA提案実施
- 簡易的な提案数点
- トータル1,2%のコストダウン効果
正直、このビジネスは無くなってしまうと思いました。
VA提案 リベンジマッチ
考えてみれば、目標の無いVA提案が上手くいくわけがありません。
そこで私は、VA提案の目標設定に注力します。
途中で不具合対応も発生しますが、乗り越えました。
モデルチェンジ = 他の部品も切替チャンス
まず私がやったことは泥臭い営業です。
- 徹底的に他の部品を提案
- 他の部品の提案を理由に、何度も会いに行く
- そしてついに、他部品の検討状況と価格帯の情報を入手
まさかの不具合発生もチャンスに変える
不運なことにVA提案中の製品で不具合が発生します。
すぐに私1人で駆けつけ、不良選別を行いました。
その後、お客様への説明会議も完了し、事なきを得ました。
実はこれが、VA提案中の部品メーカーの設計部長と関係を構築する大切な機会でした。
最後まで真摯に取り組む
ここから風向きが変わり始めます。
- メーカーの設計部長のご協力
- VA提案箇所の増加
- コストダウン総額の増加
これならばいける。私はそう確信しました。
気が付くと私は、メーカーの方への感謝と共にこう伝えていました。
コストダウン分の内、いくらかは利益upに当てて下さい。
メーカーの方が「そんなことはしないよ。」と笑って仰ったことは忘れません。
次につながる最高のVA提案
部品切替の危機、閉幕
VA提案は文句なしで幕を閉じました。
- メーカーの開発部長の熱弁
- 10点近い提案数
- トータル10%近いコストダウン
新規部品の案件獲得へ
当時私は、ピンチをチャンスに変えるってこれかと思いました。
- メーカーの設計部長から新商品のPR要求を頂く
- 顧客の営業担当の方を紹介
- 現行品の困りごと・ターゲットコストの情報を入手
- VA提案の終わりに新規提案を開始
自分が退職後、この新規提案は無事に採用されたと伺いました。
自分の数字にはなりませんでしたが、とても嬉しかったです。
家業を見据えて
大事だと思ったことを3点にまとめます。
- 常に顧客と接点を持ち、プロジェクト動向を把握することが大切
- 商社or仲介の方とお付き合いする際は、『人』を見極める
- ピンチこそ顧客と会話するチャンスであり、真摯に対応するべし
町工場は営業に注力出来ていないケースが多いです。
「自分は家業に戻ったら一生懸命に営業をしよう」
そう決心しました。
ご紹介
家業での取り組みを活かして中小企業の事業承継問題に少しでもご協力出来ないかと思い、
Legacy Linksというサービスを立ち上げました。
色々な方と繋がりたいの一心で動いております。ぜひお話しさせてください。
学生の方の就活相談や工場見学も受け付けております!